2025.02.22
施設看護師として働き、あっという間に3ヶ月が経ちました。
車椅子介助など、なかなか慣れないことを日々学ばせていただき、とても良い経験をさせて頂いています。フットレストが簡単に外れたり、アームレストが動く、このように便利な物があるなんて知りませんでした。介護の世界はとっても奥が深いです。移乗とは、ベッドから車椅子、車椅子から便座など、異なる場所へ体を移す動作のことですが、これが本当に難しいです。
病院の退職時に、「(看護師として働くには)施設はつまらないです。きっと病院が良かったと思いますよ。」と言われました。でも、所変われば新しい学びがあり、新鮮でとても楽しいです。結局、自分の気持ち次第ですね。そこで自分がどうするか、学ぶのか、時間が過ぎるのをただ待つのかで、その時間の価値は大きく違ってきます。
業務が多い日もありますが、時間を見つけて利用者様とお話できるのが楽しいです。不安や何か症状がある方のお部屋にはは訪室してゆっくり話を聞きます。こちらがゆっくり話を聞こうとする姿勢って利用者様にも伝わるのでとにかく安心した顔でお話ししてくれます。私の気持ちの余裕が一番大切なのかもしれません。病院にいた時は、忙しいのでどうやって話を切り上げるかを考えながらの会話で失礼なことをしていたと反省します。
先日、実家に行き認知症の母の部屋に入ったら、「どうせ私は馬鹿だから」とイライラモードでありながらも不安そうな表情。どうしたのと聞いても何も言わず。なにやら、普段使っているデイサービスのカバンが見つからなくて家族と衝突してしまったようです。とにかく物を片付けてしまうのです。
職場でも、ご利用者の方からよく「私、馬鹿になったから」、「ボケてしまって」、「わからねぇ」と毎日こういう言葉が聞かれます。言っている方々は本当に切ないと思います。きっと私たちが想像している以上の悲しみを感じているのではないかと思います。ボケているから、記憶がないから何を言っても大丈夫と思っているかもしれませんが、特にネガティブな感情は残っている様な気がします。
認知症の方は記憶力の低下を感じて、自分が何をしているかわからない不安をを抱えている方々が多いと思います。もちろん身体能力の低下もありますが、それ以上に認知力の低下はもっと不安だと思います。生まれてからずっと一緒の自分、でもその自分が信じられない、自分の言動や思いに自信がないから不安な気持ちを常に抱えています。不安だから、さらに周囲とのコミュニケーションが取りづらくなり孤独感や疎外感、そして不信感も増しています。
自分はもう「バカになった」と表現することで、その苦しみを訴えているように感じます。
母や利用者様がそのようなお話をされたら、今はまずは「大丈夫です」と体をさする様にしています。そして、今できていること、頑張っている事をお伝えしています。「こうやって〇〇できますよね、それって素晴らしいことですよ」、「素敵な笑顔で笑えてますよ」などその方の素敵な姿を伝え、「大丈夫ですよ」の言葉をかけながら、手を触ったり、背中をさするようにしています。
そうすると、「ありがとう」、「そうだよね」と笑顔を見せてくださり、私もとても嬉しく、心が温かくなります。温かい言葉のキャッチボールができる毎日に感謝の日々です。 この様に寄り添わせて頂き、幸せをいただけることが本当に自分は好きなんだと気づかせてもらえてよかったです。人のためだけでなく、自分のためにも素敵な時間を作っていきたいです。 poco a poco!
長くなりました。今日もお読みくださりありがとうございました。
コメント
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考えさせられました。
日々、反省です。